遺産分割がまとまらずに相続が争続に!解決のための「調停」とは?

遺産分割がまとまらずに相続が争続に!解決のための「調停」とは?

誰かが亡くなって相続が発生した場合、遺産の分けかたについて相続人間で話し合うことになりますが、お互いの様々な感情により、意見が対立することはよくある話しです。

それぞれが全く譲らず、当事者同士の話し合いでは解決しない場合、裁判所に遺産分割の「調停」を申し立てて、裁判所を通して解決する方法もあります。

(「遺産分割」については、こちらの記事もご覧ください。)

遺産分割協議の進め方②(遺産分割協議書の作成)

「調停」ってどんなことをするの?

「調停」とは、簡単に言うと、「裁判所という公的な場で、調停委員という第三者を交えて話し合いをすること」です。

「調停」は、まず、裁判所に申し立てをすることから始まります。

申立てをする人は、相続人であれば誰でもかまいませんが、担当する裁判所には決まりがあります。

管轄裁判所

まず、遺産分割協議等の相続に関する問題を扱うのは、「家庭裁判所」になります。

「家庭裁判所」は全国各地にありますが、担当するのは「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」か「当事者が合意で定める家庭裁判所」になります。

相手方が複数いる場合は、そのうち1人の住所地を管轄する裁判所に申立すればよいので、通常は、申立人の一番近くの相手方の家庭裁判所に申立をすることになります。

調停期日はどう決まる?

調停が始まると、月1回くらいのペースで進行していきます。

解決するまでの期間は、事案によってそれぞれですが、何年もかかってしまうこともあります。

第1回目の期日は、申立人と裁判所の都合で決まるので、相手方は都合が合わないこともあるため、必ずしも出席しなければならないわけではありません。

2回目以降は、それぞれの都合を確認して調整されることになります。

調停期日には何をするの?

調停期日の当日は、申立人と相手方は別々の待合室で待機します。

そして、申立人と相手方が交互に調停室に呼ばれ、調停室で調停委員と話をして、事実関係や争点の確認が行われます。

その後、事実関係や争点に対するそれぞれの言い分や相違点・妥協点などについて、何度か期日が開かれることになりますが、通常、申立人と相手方が顔を合わせることはありません。

調停委員はどんな人?

調停委員とは、最高裁判所から任命された非常勤の公務員です。

弁護士などの豊富な知識・経験を有する者で、人格識見の高い40歳以上70歳未満の方から選ばれています。

調停はどうやって終わるの?

お互いが納得できる状態になれば、調停成立となります。

調停成立の際は、当事者全員が集まり、裁判官が調停条項を読み上げて、全員が内容を確認して、調停成立となります。

話し合いがまとまらず、調停が不成立となった場合は、自動的に「審判手続」が開始され、裁判官が遺産に属する物または権利等一切の事情を考慮して、審判をすることになります。

審判手続で必要な審理が行われたうえで、審判によって結論が示されることになります。

 

いつまでも遺産分割の話がまとまらないと、相続人のうちの誰かがまた亡くなって更に相続が発生し、ますます話し合いが困難になってしまいます。

当事者だけで話し合いをしてこじれると、感情的な対立となり、まとまらないものですので、最終的には、調停手続を利用することも必要だと思います。

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