遺産分割協議の進め方②(遺産分割協議書の作成)

遺産分割協議の進め方②(遺産分割協議書の作成)

遺産分割について

誰かが亡くなって相続が始まると、その財産をどうするかが問題になります。

各相続人が、法律に定められた割合で相続(法定相続)するのが原則ですが、「実家は長男が引き継ぐ」や「全て全員で平等に分ける」等、相続人全員による話し合い(遺産分割協議)で自由に決めることも可能です。

遺産分割協議については、「遺産分割協議の進め方①(相続人調査)」に書いたとおり、まずは相続人を確定させて、その相続人全員の参加で進めることになりますが、今回は、実際にどのように分けるか、その分割方法についてみていきたいと思います。

遺産分割の3つの方法

遺産分割の方法には、「現物分割」「代償分割」「換価分割」の3つがあります。

以下、詳しく見ていきましょう。

現物分割

現物分割とは、例えば、妻は実家の土地・建物、長男は預貯金、長女は株式をそれぞれ相続するというように、遺産を構成する個々の財産を、その形態を変えることなくそのまま各相続人に分ける方法です。

現に存在する遺産をそのまま分ける方法ですので、最も簡単で分かりやすい方法といえます。

しかし、評価の方法等により不公平になり易く、相続人間の意見調整が難しい場合があります。

代償分割

代償分割とは、遺産の現物(例えば実家の土地・建物)は特定の相続人(例えば妻)に取得させて、その現物を取得した相続人が、他の相続人に対して、それぞれの相続分を金銭で精算する方法です。

例えば、遺産が実家の土地・建物と預貯金が少しだけというような場合で、妻が実家で生活を続ける場合、現物分割だと他の相続人は少しの預貯金だけとなってしまいます。このような場合に、相続分相当額を金銭で精算して納得してもらおうということです。

しかし、その土地・建物の評価方法について争いになることも多く、また、その金銭をどのように用意するかということも問題になってきます。

換価分割

換価分割とは、遺産を売却するなどしてお金に換えて、そのお金をそれぞれの相続分に応じて分けるという方法です。

現物分割や代償分割が困難な場合に、この方法がとられる傾向があります。

しかし、遺産が土地・建物の場合、もう誰も住まないので不要ということであれば問題無いのですが、相続人の誰かが反対した場合は、売却することはできません。また、不便な場所であったり、古い建物であったりすると、売却自体が困難な場合もあります。

どの分割方法を選ぶか

上記のどの方法を選択するかは、状況に応じて考える必要がありますが、お互いが納得できるようになるまでは、なかなかまとまらない場合も多いと思います。

よくあるのは、相続した実家をどうするかという問題です。

誰も住まなくなった場合であれば、売却して精算という方法が一番簡単かもしれませんが、思い入れのある実家を手放したくないという相続人もいるはずです。そのような場合は、売却ではなく、全員(もしくは一部)で共有にして、賃貸に出すといった方法も選択できます。

それぞれの方法のメリット・デメリットを考えて、自分たちの相続にはどの方法が適しているか、相続人間でよく話し合うことが重要です。

 

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