空き家問題を考える

空き家問題とは

空き家問題とは、何らかの理由で長期間誰も住んでいない「空き家」が増え続けている問題のことです。

総務省統計局が5年ごとに発表しているデータによると、平成25年の時点でも全国で約820万戸もあったようです。ただし、これには賃貸用、売却用、別荘等の物件(約500万戸)も含まれておりますので、街なかでたまに見かける、いわゆる「空き家」は約320万個、空き家率でいうと約5.5%、約18軒に1軒の割合で空き家があるということになります。平成5年のデータを見ると約150万個でしたので、20年で倍増していることになります。

確かに、私の家の近くでも、明らかに空き家となっている家をいくつか見かけるようになりました。小学生の娘の通学路にもあるので、何かと不安な気持ちもあります。

なぜ空き家が増えてる?

空き家は今後も増え続けるといわれておりますが、その主な原因は

  • 少子高齢化
  • 相続した人の感情的理由
  • 新築至上主義

等であると言われております。

よくあるのが、高齢の親は介護が必要になり施設に入所し、子供は離れたところで家を建てて住んでおり、実家は誰も住まなくなっているというパターン。その後、親が亡くなり実家を相続したが、子供はすでに自分の家をもっており、実家に戻ることはない。しかし、思い出の詰まった実家を売却することも、取り壊すこともできず、とりあえずそのままにしてしまう。そして、管理費用が負担になった等の理由から売却しようとしても、どんどん建築されている新築住宅の方が人気があり、結局売れないことから、空き家が増えてしまうということになります。

空き家が増えることによる問題

空き家でも、適正に管理されているのであれば問題はないのですが、いわゆる空き家は何も手入れがされておらず、誰も利用していないので一気に老朽化が進んでいきます。そうすると、屋根や外壁が剥がれ落ちたり、最悪の場合は倒壊してしまう恐れもあります。また、害虫や害獣の温床になったり、不審者、不法占拠者等による治安の悪化、さらに放火による火災の危険性もあります。

私の家の近くにある空き家も、雑草が生い茂り、家の中の様子が全く分からないので、近くを通るときには不安になります。

空き家対策特別措置法とは

このような空き家増加の状況から、2015年5月に「空き家対策特別措置法」が全面施行されました。

これは、空き家の中でも特に危険度が高い空き家を「特定空家等」として、所有者が状況を改善しなければ、行政から強制対処を求められ、土地の固定資産税も負担が大幅に増えることになるというものです。

これにより行政による介入もできるようになりましたが、所有者の方には自発的に空き家対策を進めて頂きたいものですね。

自治体の取り組み

自治体によってばらつきはありますが、空き家対策として解体費用の補助があったり、空き家バンクの運営をしていたり、様々なサービスが用意されておりますので、空き家をお持ちの方は、一度自治体にご確認いただければと思います。

空き家であっても、適正な管理がなされていれば問題はありません。

適正に管理しつつ、今後の処分や活用等について、考える必要があると思います。

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